教式の第1講座。ここでは、教式の特徴について書きます。

四かく

 教式の特徴は、この「四かく」です。これを授業の中心に、しかも後に書く時間配分からも分かるように1授業時間の中でも真ん中に据えて、毎時間の授業を行います。この「四かく」がない授業は教式の授業ではないといってもよいぐらいです。

 この「四かく」では、子どもは教科書の本文を視写(見ながら写すということを)します。教科書を見ながらノートに写します。(芦田先生は、教科書から先生が選んだ漢字をノートに書かせることもされました。)

 教科書のどこを視写するか、それを導くのが「手引き」です。手引きに従って本文を読み直し、見つけたところを視写します。
 「手引き」は、本時の学習課題に沿って、教師が出します。本時の学習課題は、前時の「おさらい」からつながってきます。
 これらの一連の流れが「二とく」で作られます。

 国語の時間の始めに、教科書の文章を読まずに始めることはないでしょう。それが「一よむ」です。

 以上をつなぐと、

  1. 教科書を読む
  2. 本時の目当てをつかむ
  3. 教科書を読む
  4. 視写する

という流れになります。これが「一よむ」「二とく」「三よむ」「四かく」です。

「四かく」の後

 「四かく」で、子どもはノートに視写します。先生は黒板に本文を写します(板書)。

 書いた後は、先生の板書で学習を進めます。
 まず、確認のために板書を読みます。次に、本時の学習課題を解決します。最後に板書を読みます。これで、授業は終わりです。

  1. 板書を読む
  2. 本時の学習課題を解決する(話し合い)
  3. 板書を読む

 「四かく」がなければどうなるか。

  1. 教科書を読む
  2. 本時の目当てをつかむ
  3. 本時の学習課題を解決する(話し合い)
  4. 板書を読む

という、よく見られる授業形態になります。最後の「板書を読む」の代わりに、学習感想を書かせることが今の流行ですね。

 ということで、この「四かく」が教式の特徴であることがわかりますね。これが「四かく」がなければ教式の授業ではないという所以です。
 また、これで「七変化(しちへんか)の教式」ができあがります。

1. 教科書を読む   一よむ
2. 本時の目当てをつかむ 話し合い   二とく
3. 教科書を読む
 ・範読(芦田先生)
 ・手引きに従って黙読する(単純形態)
  三よむ
4. 視写する   四かく
5. 板書を読む   五よむ
6. 本時の学習課題を解決する 話し合い   六とく
7. 板書を読む   七よむ

 この1から7までの手続きを符号化したのが、よむ、とく、よむ、かく、よむ、とく、よむです。

 「四、かく」を中心に「よむ」があり、その周りに「とく」があり、さらにその周りに「よむ」があります。
 
 この図でも分かるように、1時間の中で、読んでは考え読んでは考えしているのがわかると思います。教式の授業はこういう授業です。

時間配分

 時間配分は、「一よむ」から「三よむ」までが、15分、「四かく」が10分、「五よむ」から「七よむ」が15分、合計40分で、教室の出入りに5分をあてています。
 時間はおおよその目安です。

視写する字数

 おおよそ、30字×学年+30字程度の字数を書かせます。
 1年だと30字〜60字、2年だと60字〜90字、3年だと90字〜120字というようになります。
 これもおおよその目安で、子どもの実態、取扱いの内容で前後します。

視写するときの注意

 子どもへは「マス一杯の大きな字で、ゆっくり、丁寧に書きなさい」と、書く前に指示します。
 視写する間、先生も黒板に、大きな字で、ゆっくり、丁寧に板書します。板書の1行の字数は、後の取扱いを考えて、多少前後します。

時間内に書けなくてもいい。

 視写に時間がかかる子どもがいます。
 視写の時間(10分間)、学習に取り組んだことを認めます。そして「家で、続きをやってきてもいいよ」と言います。(やらなくてもいいのですが、「やらなくてもいいよ」とは言いません)。そして、「もしやったら、朝、先生に出したら見てあげるよ」と言っておきます。

視写の効用

 「視写の効用」という一項が書けるぐらい、視写には利点があります。これをするか否かで読みの程度(深さ)が大変変わります。
 また、毎時間書く時間があるので書く事への抵抗が減ります。

「四かく」の時間は無駄である。それより話し合いの時間を取るべきである。

という議論があります。ところが実際の授業を拝見しますと、文章から遊離してしまうような自分勝手な読みであったり、本当にこの教材を読んだ上での話し合いなんだろうかと疑われるような授業があります。これで本を読む力がついているのだろうかというような。
 特に、読みの力の弱い子、発表する力の弱い子が、授業中に下をうつむいている姿を見ると悲しくなります。


話し合い

板書での話し合い = 「六とく」は、本時の目標に迫るところ

 「六とく」が大事なのは分かりますね。今日の勉強の内容なのですから。これを飛ばすわけにはいきません。

 教式では「六とく」と言っていますが、授業の中心となるところの「話し合い」です。本時の目標に迫るところです。
 教式では6番目に来ていますので、なかなか目標に迫らないような感じがしますが、実際は「二とく」から本時の目標に邁進しています。それを端的に表現しているのが「一問で貫く」です。

本時の目当てをつかむ = 「二とく」は導入部

 次に大事なのは「二、とく」です。
 何のためにこの1時間があるのかが分かる時間だからです。いわゆる「導入」として取り扱われるところです。

 読んで話し合うこと、どんな授業でも行っていることです。

中心を中心にして流れを作る

一問で貫く


次は

国語科指導の単純形態

第一次指導と第二次指導、第三次指導


余録

七変化の教式

 芦田先生は、いつでも、まず教科書を子どもに読ませ、本時のねらいをつかませ、教科書を先生が範読し、教材を書かせ(同時に板書し)、板書を読ませ、本時の話し合いを行い、最後につかんだところで板書を読ませていたそうです。
 この7つをいつも行っていたのでで七変化の教式と言われるようになったそうです。

 「七変化の教式」を悪し様に言う人がいます「しちへげの」教式と。教式の人は、ああこの人は教式を知らない人か、対立する人なんだなと思います。

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