おにごっこ 

 光村 2年下

おにごっこ

 おにごっこは、ごっこ遊びの一種である。歴史は古い。

書き出し

 書き出しが「おにごっこは、どうぐがなくても、みんなでできるあそびです。」である。なんと効果的な書き出しだろう。おにごっこの遊びについて、端的に、しかもやってみたいと思うような気持ちになる書き出しである。
 「どうぐがなくても」は、準備がなくてもできる遊びである、ということ。準備がいらないということは、準備物がいらない、ということでもあるが、心準備がなくてもでるということでもある。今の子ども達がよくやっている遊び、カードゲームであったり、ゲーム機で遊ぶ遊びとかは、「物」が必要な遊びである。その「物」を持っていなければ遊びに参加できない。しかもその「物」は、子どもには入手が困難な物であったりする。持っていなければ遊びに参加することができず、側で見ているだけということになってしまう。ところがおにごっこはそうではない。「やろうか」と誰かが言い、「うん」ということになれば、すぐにでも始められる遊びであるということである。
 「みんなでできるあそび」ということは、誰にでもできる遊びであると同時に、誰もが楽しめる遊びであるということでもある。一人だけが楽しむ遊びではなく、遊びに参加した子どもみんなが楽しめる遊びであるということを言っているのである。
 続いて、「おにごっこには、さまざまなあそび方があります。」と第2の特徴が書かれる。
 そして、「どんなあそび方があるのでしょう。なぜ、そのようなあそび方をするのでしょう。」となる。これがこの説明文を書いた目当てである。そもそもの問題。そして、理由も考えていくよと前置きしているのである。

全体の構成

 全文は、6つの形式段落で書かれている。

  1. 書き出し、問題提起
  2. この先はだめ
    鬼のことを考えて決めたきまり。
    にげてはいけないところを決める、おにごっこ。
  3. 「つかまらない」
    逃げる人のことを考えて決めたきまり。
    ここに入ればつかまらない、こうすればつかまらない、という「つかまらない」決まりを決めたおにごっこ。
  4. みんなおにになる
    鬼のことを考えて決めたきまり。
  5. 手をつないで
    逃げる人のことを考えて決めたきまり。
  6. まとめ
    著者からのメッセージ:「だれもが「楽しかった。」と思えるようなおにごっこ」にするために。
段落 困った人 きまり 副次的な効用
1 書き出し        
2 この先はだめ おに 逃げる人がどこへでも行くと、
つかまえるのが大変。
逃げてはいけないところを決める。 鬼になることもいやでなくなる。
3 つかまらない 逃げる人 鬼の足が速いと、
すぐに捕まってしまう。
ここにいれば、つかまらない。
 地面に丸や四角をかく。
こうしていれば、つかまらない。
 高いところにいる、木に触る
一休みできる
疲れた人も、走るのが苦手な人もすぐに捕まらず、
おにごっこを楽しめる。
4 みんなおにになる (たくさんの人で同時にする
おにごっこ)
おにがつかまえやすいように
考えてできたきまり。
おにを交代せずに、つかまった人が、みんなおにになる。 にげる人が「つかまりそうだ。」と、ドキドキする。
おにごっこがもっとおもしろくなる。
5 手をつないで おにも、逃げる人も おにごっこがすぐに終わってしまう。 おには、手をつないでおいかける。  
6 まとめ        

中心を中心にして流れを作る

  1. 文章の中心(この教材で、何を考えるか、その1点。)
  2. 中心を中心にして、流れを作る。
    1. 区画、第一次指導(概観)の手引き、「四、かく」
    2. 第二次指導の「四、かく」
    3. 第三次指導の「四、かく」
    この3つが、一体になるように考える。
    中心を間違えると、どれかが外れてくる。
  3. 平易な単純化した流れを作るために、問いの工夫をする。

 第一次指導 全文の概観 一時

    時間 補足
一、よむ ○昨日、お家で読んでみた人。
・順番読み。6人。
15分  
二、とく ○題目 板書「おにごっこ」
◎ひびき
 ・やったことあるでしょう。
 ・二手に分かれるのね。
   ・おに
   ・にげる人
 ・おにになったことがある?
  おにになって、困ったときがあったでしょう。
 ・にげる人になったとき、困ったなときがあったでしょう。
○手引き
 ・いろんな遊び方があるのね。
  本に載っている、遊び方を短い言葉で書きます。

  1と6には遊び方の説明がありませんから、書きません(○を書く)
・「鬼になって困った」という言い方と「鬼になって大変だった」という言い方がある。
 どちらでも良いのではないか。

・困ったことを聞くと、捕まえられない、すぐ捕まるという問題以外に、
ルールを守らない、時間が合わない等の他の問題をあげる子どももいるだろう。
それはそれで受け止めてやることが大事である。
三、よむ ・黙読 各自黙読しながら言葉を探す。 10分  
四、かく  板書

1 ○
2 この先はだめ
3 つかまらない
4 みんなおにになる。
5 手をつないで
6 ○
 文字情報だけなので、横線と縦の区切り線を省略している。
五、よむ ・指黙読1回。指斉読2回。 15分  
六、とく ○事実・区分
 ・おにが一人しかいないのは?
   2と3
 ・おにがたくさんいるのは?
   4と5

◎山
 ・いろんな遊び方があるのね。ここには、4つあります。
 ・おにになって、困ったときがあったのね。
  あまりに大変だったので、決めた決まりがあるでしょう?
    1と3
 ・1は?
 ・3は?
 ・にげる人になって、困ったときがあったのね。
  あまりに大変だったので、決めた決まりがあるでしょう?
    2と4
 ・2は?
 ・4は?

 ・おにのことを思って、決めた決まり、
  にげる人のことを思って、決めた決まり
  その決まりで、いろんな遊び方ができたのね。

○余韻
 一緒に遊ぶ人のことを大事に思って決めたのね。
・事実を押さえて、二区分。

・まず、鬼に着目して全文を二区分している。

・その後、鬼が困ったのと、にげる人が困ったので、区分し直している。











・鬼のことを思って、ということは、鬼のことを思いやって決めたきまり、とも言える。
 二年生なので、簡単な言い方を採用した。

・鬼のことを思って決めた決まり、とは言っているが、実は、鬼がいないと鬼ごっこにならないわけである。
 鬼を思ってとは言っているが、誰が鬼のことを思っているとは問うていない。にげる人である。
 一方が困った時に、他方が思いやっているのである。
 双方の思いやりが一致して、集団遊びが成立していることを忘れてはならない。

 余韻の言葉はそれを指摘している。
七、よむ ・指斉読1回。 2分

 第二次指導 第1時 おにが困ったとき   (第二段落 捕まえられない)

一、よむ ○昨日、お家で読んでみた人。
・順番読み。6人。
12分
二、とく ○おさらい
 ・いろんな遊び方があるのね。

◎承接
 ・おにを一人でするとき、おにが困ってしまうことがあるのね。

○手引き
三、よむ ・黙読 15分
四、かく  板書

1 同じ人がずっとおにを
  することになるかも
  しれません。
2 にげてはいけないところ
  をきめることで、
  おには、にげる人を
  つかまえやすくなります。
3 つかまえやすければ、
  おにになることも
  いやではなくなります。

五、よむ ・指黙読1回。指斉読2回。
六、とく ○語義・区分
 ・むずかしい言葉はありますか?
 ・「。」が三つありますから、三つに分けて考えます。
  (1,2,3と番号を付ける)

◎心
 ・おにのことを書いているのは、何番?
    二番
 ・おにが困らなくなったのは?
    つかまえやすく
 ・一番と三番は誰のことが書いてある?
    にげる人
 ・にげる人が、いやだなぁと思っていることが書いてあるのは?
 ・にげる人が、いやじゃないよと思っていることが書いてあるのは?

○余韻
 ・にげる人も、おにも、楽しく遊べるのね。
七、よむ ・指斉読1回。

 第二次指導 第2時 にげる人が困ったとき  (第三段落 すぐ捕まる)

    時間 補足
一、よむ ○昨日、お家で読んでみた人。
・順番読み。6人。
15分


・本時は、にげる人が困ったときに決めた決まりを取り扱う。
二、とく ○おさらい
 鬼が困って、この先はだめという決まりができたのね。

◎承接
 にげる人が困ってしまうときもあるのね。

○手引き
三、よむ ・黙読 15分 ・板書の文章は、一行十二から十三文字まで。それより多いと時が小さくなる。
 二年生だと十文字前後ではないか。
四、かく  板書

高いところにいるときは
つかまらない。木にさわって
いるときはつかまらない
ときめれば、おににおい
つかれそうになっても、
ひと休みすることができ
ます。こうすることで、
つかれた人も、走るのがにがて
な人も、すぐにはつか
まらずに、あそぶことが
できます。

五、よむ ・指黙読1回。指斉読2回。 15分

・語義では、難語句の取り扱いを行う。
 難語句とは、文章を読むのに難しい言葉である。

 最初の「つかまらない」も難語句に入るだろうか。
 鬼に捕まらないということであるが、そもそも鬼ごっこは、
捕まえる・にげるが対になった遊び場ので、「つかまらない」は、
遊びとしては変なことである。このことに気づかない子どももいるだろうが、
ここでそれを取り扱っても、混乱するばかりではないかと思い、取り扱っていない。

・「よいことがあるね。いくつある?」
 同時に「何?」と問いたいところであるが、「いくつ」が分かるということは「何」が分かっていることでもあるから、問わない。
 「いくつ?」を問うてから「何?」を問う。

六、とく ○語義・区分
 ・難しい言葉はありますか?

 ・にげる人のことが書いてあるのは、どこ?
 ・つかまらない、決まりを書いているところは?

◎心
 ・このきまりでやると、良いことがあるのね。いくつある?

○余韻
 ・走るのが苦手な人も楽しめるのね。

七、よむ ・指斉読1回。

 第二次指導 第3時 おにが困ったとき  (第四段落 捕まえられない)

    時間 補足
一、よむ ○昨日、お家で読んでみた人。
・順番読み。6人。
15分
二、とく ○おさらい
 ・こうしていれば、捕まらないという遊びは、
にげる人には都合がいいね。助かるね。

◎承接
 ・おにが困ったとき、捕まえられないとき、どうする?
    ・この先はだめ
 ・もう1つあるね。
    ・みんなおにになる。
 ・おにがたくさんいれば、捕まえやすくなるよね。

○手引き
三、よむ ・黙読 15分
四、かく  板書

おにがふえれば、にげる
人は、それまでよりもっと
考えたり、じょうずに走っ
たりしなければなり
ません。「つかまりそうだ。」
と、どきどきすることもふえて
おにごっこがもっとおも
しろくなります。

五、よむ ・指黙読1回。指斉読2回。
六、とく ○語義・区分
 ・語義 「じょうずに走る」とは?
    周りをよく見て走る
    より速く走る
  の、二つの意味がある。
 ・誰のことが書いてある?
    にげる人
 ・おにについて書いてあるのは?
    「おにがふえ」
 ・「れば」から後ろが、にげる人について書いてある。

◎心

 ・おには困っていたのね、なかなか捕まえられない。
 だから、こうだったらいいのになぁ、と思ったの。
  どうだったりいなと思ったの?
    ・おにが、ふえればいい。
    ・みんなで協力して捕まえたらいいなと思った。

 ・にげる人は、そうすると、どうしないといけないの?
    ・もっと考えたり
    ・じょうずに走ったり

 ・もっとおもしろくなるのね。
  鬼のことを思って決めた決まりなんだが、にげる人も楽しくなるのね。

○余韻
七、よむ ・指斉読1回。

 第二次指導 第4時 にげる人が困ったとき  (第五段落 すぐに終わってしまう)

一、よむ ○昨日、お家で読んでみた人。
・順番読み。6人。
15分
二、とく ○おさらい
 ・おにが困って、よいことを考えたの。
  それでおにごっこが、もっと面白くなったの。
  どうすることにしたの?

◎承接
 ・ところが、それだと、また困ったことになったの。何?
    ・すぐに終わってしまいます。

○手引き
 ・それで決まりを少し変えました。どこに書いてある?
  探してノートに書き写しましょう。
三、よむ ・黙読 15分
四、かく  板書

おにになった人は、みん
な、手をつないでおい
かけるときめるのです。
おにが三人、四人とふえて
くると、手をつなぎ
ながらおいかけるのは、
たいへんです。
こうすると、
にげる人はつかまりにくく
なります。
五、よむ ・指黙読1回。指斉読2回。
六、とく ○語義・区分
 ・難しい言葉はありますか?

 ・おにについて書いてあるのは?
 ・にげる人について、書いてあるのは?

◎心
 ・おにがたくさんいると困るのは?
    ・つかまりにくく (「にくく」に傍点)
 ・そこで、ひとつ決まりを決めたのね。
    ・手をつないで

○余韻

   おにが困った       にげる人が困った

   この先はだめ  →   つかまらない
                    ↓
      ↓←←←←←←←←←
      ↓
   みんなおに   →    手をつないで
                    ↓
      ↓←←←←←←←←←
      ↓
   三人になったら  →   ・・・・・
    分かれる

(という感じだなぁ)
七、よむ ・指斉読1回。

 第二次指導 第5時  著者からのメッセージ

一、よむ ○昨日、お家で読んでみた人。
・順番読み。6人。
15分
二、とく ○おさらい
 ・はじめに問題が2つあった。
    ・どんな遊び方があるのでしょう。
  それはこれまで見てきました。
    ・この先はだめ
    ・つかまらない
    ・みんなおに
    ・手をつないで

◎承接
 ・もう一つの問題。なぜそのような遊び方をするのか。
  一言で言うと、
    ・みんなが楽しめるように。
 ・みんなとは? たとえば?
    ・走るのが速い人も、遅い人も
 ・工夫したのね。

○手引き
 ・その時に注意しないといけないことが書いてあったでしょう。
三、よむ ・黙読 15分
四、かく  板書

そのときには、みんなが
きまりを分かるように、
そして、まもるように
します。
あそびおわったときに、
だれもが「楽しかった。」
と思えるような おに
ごっこができるといい
ですね。

五、よむ ・指黙読1回。指斉読2回。
六、とく ○語義・区分
 ・語義
  まもるように……何を守るの?
  だれもが………誰?
            一人残らず、みんながということ。

 ・区分
  「。」が2つあるから、二区分。
 さらに後ろの文を二つに分ける。

◎心
 ・きまりを作るときに、こういうことに注意しましょう、と書いてあるのが前半。
  注意することは、いくつあるの?
     ・三つ
 ・何?
     ・きまりを分かる
     ・まもる
     ・だれもが「楽しかった。」と思える。

○余韻

 ・この三つは、おにごっこに限らないね。
     ・他の遊びでも同じ。
 ・遊びだけに限らないね。
     ・学校も同じだね。
 ・社会はみなそうなんだね。
七、よむ ・指斉読1回。

 第三次指導 第1時  形式の取り扱い

一、よむ ○昨日、お家で読んでみた人。
・順番読み。6人。
12分
二、とく ○おさらい
 ・新しい決まりを作るとき、一番大事なことは?
    ・皆が楽しめること。
 ・それが元で、新しい決まりができたのね。
  それでいろんなおにごっこがあるのね。

◎承接

○手引き
 ・新出漢字
  本文中での位置を確認してから書くように指示する。
三、よむ ・黙読 15分
四、かく  板書





3 四角
  走る

4 交代

5 楽しい



五、よむ ・指黙読1回。指斉読2回。
六、とく ○文中の位置
 ・おにの説明で出てきたのは、どれ?
    ・交代
 ・普通のおにごっこは、おにが交代するのね。
  この場合は、交代せずに、どうするの?

 ・他は、にげる人の説明の中で出てきた。
 ・おにごっこが苦手な人のために決めた決まりについて説明しているのは?
    ・四角………おには入れない
    ・走る………のが苦手な人も、すぐには捕まらない。

 ・楽しいは?
  楽しいはずなのに楽しくない。それで、もっと楽しくするためにはと、考えたところ。

◎こもる力
 ・この中で、これから、おにごっこでも何でも、大事にしていきたいのは、何?
    ・楽しい
 ・それは誰が楽しいの?
    ・みんなが
 ・そのためには、皆は何をしないといけないと、いけないの?
    ・(各自思うところを発表)
    ・遊ぶところや、仲間のことを考える。

○余韻
 ・みんなが、きまりを分かるように。
 ・みんなが、きまりを守るように。
 ・みんなが、楽しかったと思えるように。

だね?
七、よむ ・指斉読1回。

教材研究用ノートの作り方