風切るつばさ

 いじめを題材にした今風の友情物語か。
 ただ、一読しただけで、いろいろとひっかかる。

インコ

 昔、学校でインコを飼っていました。鳥小屋の鳩が猫か何かに喰われてしまい、代わりの鳥を探していたら、ある方が自宅で飼っていたらたくさんになったので分けてあげますと、12羽もインコを頂きました。
 しばらくすると当番の子どもが「1羽、死んでいる」と慌てて来たので、行ってみると鳥小屋の床に1羽が倒れていました。手に取ってみると、頭頂部に傷があり、まだ息がありました。傷は他のインコにつつかれたようでした。そこで傷口にはヨーチンを塗り、鳥籠の中に入れてしばらく様子をみることにしました。
 しばらくすると傷も体調も回復しましたので鳥小屋に戻しました。
 ところがその数日後、また当番の子どもが走ってきます。倒れていると。頭頂部を他のインコにつつかれて傷になっていました。同じ処置をし鳥籠で飼うことにしました。でも、もう鳥小屋に戻すことはせず、ずっと鳥籠で飼うことにしました。
 その後、インコを頂いた方が学校に来られたので、こういうことがありましたと言いますと、
「このインコだけは手乗りになったのですよ。」
という話をお聞きしました。
 そうかとそこで分かりました。このインコだけ、他のインコと違う。だから他のインコは、自分達とは違うインコだと思ってつついたのだと。インコを頂いた方は籠を別にしていたので、つつかれなかったのではないか。それを学校では大きな鳥小屋に全部を一緒に入れたので、自分達とは違うということで、つついたのではないか。まるで人間の子どもがやっているいじめと同じではないか。自分達とちょっと違っているからいじめる、と。
 鳥は恐竜の子孫だといいます。もしかしたら、いじめは種の保存行為ではないかと疑うようになりました。人間の子どもがやっているいじめも、遺伝子の中に組み込まれていることではないかと疑いました。それを人は文化の力で発現しないようにしているのではないかと。ということで教育は大切な働きではないかと。
 まぁ、こんなことを考えていました。
 その後、子ども達に手乗りの方法を教えますと、黄色いインコでしたので、子ども達はキーちゃんと名付けてかわいがっていました。
 それをこの教材を読んで思い出しました。

登場人物

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